あと施工アンカーとは
アンカーにはコンクリートを流し込む前に鉄筋の中にあらかじめアンカーフレームを組み込んでおく「先付アンカー」とコンクリートを流し込んで固まった後に穴をあけてアンカーボルトを固定する「後付アンカー」があり、あと施工アンカーとは
「後付アンカー」のことをいいます。
アンカーボルトの固着方法によって「金属系アンカー」「接着系アンカー」「その他のアンカー」の3種類に分類されます。
金属系アンカー
金属系アンカーは穴の中で拡張部が広がって機械的に固着するもので代表的なものだとハンマーで心棒を打ち込むタイプのものがあります。
接着系アンカー
接着系アンカーは穴の中に充填した薬剤が化学反応により硬化し、定着部を物理的に固着するもので代表的なものだと薬剤が入ったカプセルを挿入する「ケミカルアンカー」などがあります。
鉄筋に当たった場合の対処法
あと施工アンカーの施工の際はコンクリート上に図面から拾った寸法をケガキ、ハンマードリルで穿孔する訳ですが当然コンクリートの中には鉄筋があります。一応超音波を使ってコンクリートの中にある鉄筋の位置を調べる「鉄筋探査機」というものがあるのですが100%ではないので鉄筋に当たってしまうことがあります。
コア抜きの場合は鉄筋ごと切れるらしいですが鉄筋はコンクリートの強度上重要なものなので切ってはいけませんしアンカーボルトを短く切って埋め込み長をごまかすのもいけません。施工不良ですからね
ならばどうするのか、もう鉄筋をかわすように斜めにあけるか穿孔位置をずらすかの2択しかありません。
以下はケミカルアンカーのメーカー「デコラックス」さんの鉄筋に当たった場合の対処法の回答です。
方法-① アンカー位置をずらして、別位置への再穿孔を行います。
方法-② 鉄筋に当った時点で、鉄筋との干渉を避け、ドリルを傾けて孔入口はそのままで傾斜穿孔します。
(※傾斜角度は、15°以内とします)。方法②の場合には、規定以上の樹脂量が必要となるため、まず傾斜孔に所定のカプセルを挿入し、アンカー筋を埋込み、ただちにアンカー筋を引き抜き、さらにカプセルを挿入して再度攪拌作業を行い、鉄筋干渉した垂直孔にも樹脂が行き渡り、孔の空間が完全に充填され樹脂混合物が溢れるまでこの作業を繰り返します。 ※但し、傾斜穿孔の場合は、垂直な穿孔に比ベコンクリート表面よりのアンカー埋込深さが浅くなるため、これによる強度低下を考慮しなければなりません。) またアンカー筋の立て直しが必要な場合は、硬化養生後にパイプをはめて台直しして下さい。
上記対処方法は、必ず設計責任者や現場責任者の了解の上、作業を行って下さい。
アンカー削孔のときはホールライトがあるとかなり役立ちます。
鉄筋に当たったかなと思ったら一度ブロアーで穴の中を掃除してホールライトを差し込んで照らせば鉄筋がどこにあるのか一目瞭然です。穴位置をずらすとものによってはあっちもこっちも穴を開けなおさなければいけなくなるので大変な手間になる場合があります。