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照明の基礎知識

実は大事な照明の役割!現場のやる気や安全に影響

現場の安全と効率を高める照明

建設現場にはさまざまな危険があり、照明が不十分だと現場に潜むリスクをさらに高くしてしまいます。

作業も間違いが起こりやすく詳細を見落としてしまう可能性があるので手直しなどの余計な工程を発生させることにつながってしまいます。

適切な照度を確保することは現場ではたらく作業員が潜在的な危険を認知しやすくなり事故や怪我のリスクを減らすことにつながります。

照明の明るさについて

以前はワット数(w)が照明の明るさの目安になっていましたが、現在の照明の主流になっているLEDではルーメン(lm)などの明るさの単位が基準になっています。

明るさの単位

全光束:ルーメン(lm)

LED照明が放つ光の総量のことで光束ともいいます。多くはこのルーメンを明るさの指標としています。

ルーメン(lm)=投光器の明るさ

光度:カンデラ(cd)

ある方向に対しての光の強さ(量)。

全光束(lm)が同じの場合、一点を集中して照らすような狭角タイプは光度(cd)は大きくなり全体を照らすような広角タイプになると光度(cd)が小さくなります。

照度:ルクス(lx)

照らされている面の明るさ

色温度:ケルビン(k)

ケルビン(k)は光の色を表す単位です。車のヘッドライトによく使われています。
数字が低いほど赤みが強い色になり6000kぐらいで白、以降は数字が大きくなるほど青が濃くなる。

光色と演色性

光色とは

電気屋で蛍光灯を買おうとしたときに昼白色など種類があるのを見たことがあると思います。ようは光の色味です。
蛍光灯の場合は「電球色」「昼白色」「昼光色」の3種類で電球はこの3色のほかに「温白色」と「白色」の計5種類の光色があります。

光色は空間の雰囲気だけでなく人間の心理的効果も作用します。例えば色温度が3300k以下のような電球色だと暖かく感じ、逆に5500k以上の昼光色だと涼しく感じます。(個人差があります)

演色性とは

わたしたちが普段見ている色は照明の光色などによって太陽光のもとで見た場合と比べ色ずれをしています。

日中の太陽光に近い光色ほど演色性が良い、または高いという表現をします。

光色と演色性

引用:Copen Blog

照射角度

投光器は反射鏡を使って光が一定方向に向かうようにつくられていてこれを照射角度といいます。また、このときの光の広がりをビームの開きといいます。

照射角度は大きく分けて3種類あり、狭角型中角形広角型があります。

狭角型の特長

狭角型は、照らす範囲は狭いが光度が高いので遠くまで照らすことができます。細かい作業などで手元の一点のみを明るく照らしたいときにも向いています。

広角型の特長

広角型は広い範囲で近くを照らすのに向いています。

狭角型 中角型 広角型
投光器の狭角型 投光器の中角型 投光器の広角型
30度未満 30度以上60度未満 60度以上

LEDの特長

寿命が長い

LEDの寿命は約4万時間といわれています。仮に1日8時間点灯させたとしてほかの電球と比較してみても圧倒的なのがよくわかります。

白熱電球 250日
蛍光灯 4年
LED 17年

LEDは寿命を迎えても突然きれるのではなく徐々に光量が少なくなっていくのでいきなり照明がきれて真っ暗になる危険がありません。

消費電力が少ない

以前はよく使われていたレフ球の投光器500wと同等のLED投光器の消費電力は約50wと10倍の差があります。
下の表は1.6kvaのポータブル発電機を使用した場合、何台投光器が使えるかそれぞれ比較したものです。

レフ球投光器 3台
led投光器 32台

虫が集まりにくい

虫は赤外線に集まる性質があります。赤外線とは熱線なので照明自体が発熱していれば赤外線を放出しているということです。

led投光器は発熱しにくいので赤外線の量が少なく虫も集まりにくいです。

知っての通りレフ球投光器はかなり熱くなります。
冬場にはちょっとしたヒーターの代わりになるほどなので大量の赤外線を放出しています。

なので夏場の夜勤で使うとおぞましいほどたくさんの虫が集まってしまいます。

つけた瞬間から明るい

照明の種類によっては照明を切って再点灯しようとしてもすぐに点かないことがあります。

これは発光管の温度が高く常温になるまで放電できないのが原因ですがled照明は電源のオン、オフや低温の環境にも左右されずスイッチを入れた瞬間に明るくなります。

照明が必要な範囲

現場の作業員が安全かつ効率的に作業するにはすべての範囲に十分な照度があるのが理想です。これは昼夜に関係なく日中でも太陽の光が届きにくい場所ならば照明が必要です。

構造物や機械、設備があると影ができて危険な箇所を隠してしまい事故のリスクが高まるので照明の数を増やすなどして影ができないようにします。また、工事がすすむにつれてものが移動したり新しい設備によって影のできる場所は変わるので定期的に照明の配置の見直しや変更も必要です。

照明が必要な場所

工事期間が短い現場ではすべての範囲を照らすような照明設備の設置は現実的ではありません。
なので最低限必要な場所だけでも十分な照度を得られるようにしましょう。

ここでいう照明が必要な場所は「作業車」「移動経路」「作業箇所」の3つです。

作業車にはいろんな道具や機材が乗っているので暗いと段取りに時間がかかってしまいます。

実際に作業するところには照度を十分に確保することで作業効率を上げ、道具を取りに行くのに人が行ったり来たりすることが予想される移動経路は照度が低くても全体を照らすようにすることで安全性が上がります。

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